竜宮音秘(大和富士)ブログ|BLOG
大国主誕生
- 2013年11月19日 21:42
- Posted by Yamatofuji
古事記には、歴史書としての一面だけではなく、神界のプログラムが隠されており、人が神として出産するまでの内的なプロセスが、象徴的に描かれています。
天地開闢から神武天皇誕生までの、神代の物語においては、様々な登場人物や場面設定を使って、魂の出産、魂の蘇りが象徴的に描かれており、人が神として出産するまでの内的なプロセスが描かれています。
出雲大社の御祭神である、大国主大神が誕生するまでの物語も、その一つです。
大国主は、最初は、有名な「因幡の白兎」の場面で登場しますが、その時はまだ、大穴牟遅(オオナムジ)神という名前で、八十神(兄弟神)から荷物を背負わされ、従者として従っていました。
その後、八十神から迫害され、二度までも殺されながら、死の苦難を克服して、蘇生復活しました。
須佐之男命のいる、「根の堅州国(カタスクニ)」を訪問した時は、須佐之男命から、蛇のいる部屋や、蜈蚣(ムカデ)と蜂のいる部屋に寝させられたりして、様々な試練を受けました。
須佐之男命の娘・須世理毘売(スセリヒメ)の協力により、須佐之男命のいる「根の堅州国(カタスクニ)」から見事、逃げのびる事が出来ました。
その時、黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)まで追いかけて来た、須佐之男命から、「お前が持っているその生太刀・生弓矢で、お前の腹違いの兄弟を坂のすそに追い伏せ、また川の背に追い払って、貴様が大国主神となり、また現し国魂の神となって、その私の娘の須世理毘売を正妻として、宇迦の山のふもとに、太い宮柱を深く掘り立て、空高く千木をそびやかした宮殿に住め。こやつよ」と仰せられて、国創りを始められました。
出雲大社の御祭神である大国主大神は、いきなり誕生した訳ではなく、様々な試練や苦難、死からの蘇生復活などを経験した末に、誕生したのです。
魂の出産、魂の蘇りもまた、かくの如きであり、長い苦難を伴う、内的なプロセスを経験した後に、成就するものなのです。
大国主誕生とは、別の場面設定においては、「須佐之男命の八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)退治」と同じ意味であり、「天照大御神の天岩戸開き」、「伊邪那岐命の黄泉国(ヨミノクニ)からの黄泉帰り(蘇り)」、「日子穂穂手見命(山幸彦)の龍宮城からの帰還」と同じ意味であり、神武天皇誕生と同じ事を表しています。
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